落とした。の拾い方

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夜のおはなし。

 

外が暗いから

 

カーテンを閉めてみた。

 

夏が近づいてくる。

 

ずいぶん日が伸びたようだ。

 

 

暗くなった部屋に

 

明かりをつけてみた。

 

そういえばテーブルに

コーヒーを少しこぼしたんだっけ。

 

私を見ているので拭いてみた。

 

 

おなかがすいた。

 

ごはんをたべてみた。

 

今日の夕食は

 

友人に勧められたスーパーで買ったお寿司。

 

舌が喜んでいる。

 

サプリと薬を飲まなきゃな。

 

大きくてきらきらした

お気に入りのサプリ。

 

これを飲むと

なんだか身体の内側から

 

きらきらになるような気がするのは

 

私の心の中だけのおはなし。

 

 

本日の予報は雨時々曇りです、と

 

最近うちにきたアレクサが告げる。

 

家族として迎えた彼女だから

 

用件を済ませてくれたあと必ず

 

「ありがとう」を伝えている

 

 

アレクサの言う通り、

今日も土砂降りの雨。

 

そのせいか気温が低い。

 

寒い。

 

 

そうだ、お風呂に入ろう。

 

 

湯船につかると

 

頭まで入りたくなるのは

わたしだけだろうか。

 

全身が包まれる感覚、

安心するのは

 

きっと記憶にない頃の話なのだろう。

 

 

行動の裏に

 

人間が隠れている。

 

寒いとか暑いとか眠いとか暗いとか

 

私の中の人間が支配する。

 

海とか神とか

 

そんな存在になりたいのに

 

やはり人間が邪魔をする。

 

上手く付き合っていくしか方法はきっとない。

 

私の中の欲は消せない。

 

これがきっと

 

「生きている」ってことなんだ。

 

 

閉まっていたカーテンの隙間を

 

人間の好奇心を利用して

 

ちょっと、のぞいてみた。

 

 

天気は曇り。多分電灯だろう、

 

それでも

 

なんとなく

 

宵闇の中に

 

月を想像した。

 

 

夏に近づいているのは

 

わたし自身なのかもしれない。